10士業:士業の報酬額

 今回はお金のこと。

 これまで以下の10の士業(下表)についてたびたび触れてきました。今回は、各士業の関連団体が公表しているデータから一般的な報酬についてです。

弁護士 法律全般
司法書士 相続、遺言、登記代理など
行政書士 契約書類の作成代理など
土地家屋調査士 土地分筆など
弁理士 特許など知的財産全般
公認会計士 会計、監査、経営など
税理士 税金のことなど
社会保険労務士 人事・労務関係、年金など
中小企業診断士 創業、経営など
不動産鑑定士 土地の評価など

 以下に紹介する報酬はあくまで目安であり、資格を取った人に約束されているというものではありません。念のため。

 おおまかな報酬の形としては、

1.専権業務(その士業にしかできない業務)に係る報酬

2.相談や顧問に係る報酬(上記1の内容もあれば下記3の内容もある)

3.専権業務以外の業務(例えば補助金申請)に係る報酬

という感じでしょうか(上表中、中小企業診断士だけは専権業務がないので上記だと2か3ということになります)。

 以下、上表順にいきます。

 ここではざっくりとした情報だけにします(詳細は情報源で確認してください)。

<弁護士>

情報源:市民のための弁護士報酬の目安(2008年度アンケート結果版)(日本弁護士連合会)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/attorneys_fee/data/meyasu.pdf
回答数:1026

 業務と報酬の例は下表のような感じです。金額は回答が多いもの(ボリュームゾーンの金額)を記載しました。

  ボリュームゾーン
契約書作成 5~10万円
金銭消費貸借 内容証明郵便 3万円
訴訟着手金 20万円前後
報酬金 30万円前後
離婚調停 着手金 20~30万円
報酬金 20~30万円
民事再生(企業) 着手金 100~200万円
報酬金 200~300万円
知的財産権(企業) 着手金 300万円
報酬金 1000万円

 企業相手に(金額が)でかい仕事をできるところが弁護士報酬の最大の特徴だと感じます。

 

<司法書士>

情報源:報酬アンケート結果一覧(2013年(平成25年)2月実施)(日本司法書士会連合会)
http://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2014/02/questionnaire.pdf

回収数:737

業務と報酬の例:下表

  平均値(関東地区)
会社設立登記 約10万円
新株発行 約5万円
会社合併 約13万円
債務の整理 約20万円
少額訴訟 着手金 約5万円
報酬金 約7万円

 弁護士に比べると単価は下がります。まあ、これは弁護士以外の士業の多くがそうなのですが。

 

<行政書士>

情報源:平成27年度報酬額統計調査の結果(日本行政書士会連合会)
https://www.gyosei.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/12ad4f65cba6f63c3518bf14b58fdd64.pdf

回答数:不明

業務と報酬の例:下表

  平均値
解体工事業登録申請 約6万円
屋外広告物設置許可申請 約6万円
風俗営業許可申請1号キャバレー 約16万円
古物商許可申請 約5万円
貸金業登録申請 約21万円
医療法人設立認可申請 約56万円
一般廃棄物処理業許可申請 約9万円
医薬品製造販売許可 約34万円
飲食店営業許可申請 約4万円

 分野によって報酬額がかなり違うようです。

 (たまたまかもしれませんが、これまでに私が出会った)行政書士はある分野に特化して業務を行っている人、バイタリティのある人が多いというイメージがあります。アグレッシブな性格でないと競争に勝てない?

 

<土地家屋調査士>

情報源:「平成28年 報酬に関する実態調査」に基づく各設問の回答報酬額分布図(ブロック別) (日本土地家屋調査士会連合会)
http://www.chosashi.or.jp/gaiyou/disclosure.html

回答数:3812

業務と報酬の例:下表

  全国平均
土地地目変更登記 約4万円
土地合筆登記 約5万円
土地分筆登記(パターン1) 約24万円
土地分筆登記(パターン2) 約48万円
土地分筆・地積更正登記(パターン3) 約73万円
建物表題登記(パターン1) 約8万円
建物表題登記(パターン2) 約17万円
建物滅失登記 約5万円

 この業務は良く知りませんので特段コメントはないです。

 

<弁理士>

情報源:弁理士の費用(報酬)アンケート(平成18年)(日本弁理士会)
https://www.jpaa.or.jp/old/?p=6673

回答数:452

業務と報酬の例:下表

  ボリュームゾーン
特許出願(明細書15ページ) 25~35万円
特許出願に関する意見書 5~7万円
特許出願に関する補正書 5~7万円
特許出願の謝金 10~13万円
実用新案登録出願 20~30万円
意匠出願 5~15万円
商標登録出願(1区分のみ) 5~8万円

 弁理士の場合、通常は一番大きな仕事が特許関係です。出願時、特許庁からの拒絶理由通知書という書類対応時、審査に通った時に報酬が発生します。特許出願から権利化までで1件あたり50万円くらいでしょうかね。

 商標の仕事は通常、特許よりも単価は低いです。特許だと、発明に関する技術の理解や明細書作成に係る労力が大きいのに対して、商標(企業名、商品名、ロゴマークなど)には技術的な要素がありませんから(一方で、商標は企業ブランド、商品ブランドに深く関わるものであり、将来のブランド設計まで考慮した顧客対応が求められます)。

 また、弁護士で弁理士登録している人は多いですが、ある程度棲み分けられています。一般的に弁護士は文系出身者が多いことから、理系知識が必要な特許出願業務をやらないでしょうし、単価的な面を考えても、弁理士業務の方に移ってくるメリットはそう大きくないでしょうし。これらの点では会計士と税理士の関係よりも平和的?

 

<公認会計士>

 関連団体が公表する資料の中からは見つけることができませんでした。

 

<税理士>

 関連団体が公表する資料の中からは見つけることができませんでした。

 

<社会保険労務士>

 関連団体が公表する資料の中からは見つけることができませんでした。

 

<中小企業診断士>

情報源:データでみる中小企業診断士(中小企業基盤整備機構)
http://j-net21.smrj.go.jp/know/s_hiroba/enquete/p06.html

回答数:3667

業務と報酬の例:下表

  平均額
経営指導 約1万円/日
講演・教育訓練 約1万円/日
診断業務 約10万円/日
調査・研究 約5万円/日

 私が仕事で診断士と関わったことがあるのは補助金申請の補助業務です。補助金の中には数千万円の補助金がつくものも珍しくありません。企業は最初、そうした補助金申請を自前でやるのですが、採択されないことが多いです。そこで診断士に補助金申請を依頼する、というパターンのようです。成功報酬型の場合、ケースによってはでかい収入になります。極端な例えかもしれませんが、5000万円の補助金が採択されたら2割の報酬、と取り決めていたら報酬額は1000万円です。私が弁理士として関わるのは対象会社の開発に係る先行技術調査くらいなので前記のようなビジネスには全くなりませんけど。

 社労士も補助金申請に関わる業務が結構でかいと聞きます(補助金額が大きいものが多いから)。

<不動産鑑定士>

 関連団体が公表する資料の中からは見つけることができませんでした。

 

 以上、今回は全士業を確認することはできませんでした。

 また、上記は各関連団体が士業から取ったアンケートに基づくものであり、必ずしも報酬実態をあらわしているとは言えない部分もあるかもしれません。型にはまらない稼ぎ方をしている人も多いでしょうし。

 あくまで参考程度ということで。

 

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