就活開始のタイミング

  昨年4月、ある研究室を訪れたとき、一人の学生(4年生)がその研究室の先生から怒られているところに出くわしました。

 怒られている理由その学生が大学院に行く気もないのに就職活動を全くやっていないことでした。

 はたから見ていると、就職活動をやっていないことに何かわけがあるのではなく、単にその学生の(就職活動に対する)意識が低いだけのようでした。

 同学年の動きを見ていれば、どのタイミングでどのようなことをすべきか何となくわかりそうなものですが。

 4年生になった4月の時点で何も動いていないということは、エントリーシートなど作っているはずもなく、そもそもどのような業界や企業、職種を狙うのかも定まっていないのでしょう。

 これがその後の人生にどう影響してくるのか・・・

 “もう大学院に進学するぐらいしか道はないかもしれないぞ

と先生からハッパをかけれていましたが、その学生に伝わっていたかどうか。

 一瞬、なんてレベルの低い怒られ方なんだ、と思いましたが、実は私も修士2年の10月まで一切就活をせず迷走していたことがあり、この学生のことをばかにはできないと思いました。

 どの時期から就職活動の準備をやったらいいのか?

 以前、講義を受講する2年生からそんな質問もありました。不安に感じる人は多いはずです。

 回答的なものは大学が配布している就活ガイドブックやインターネットの就活サイトに載っているのでそれを見れば良いのですが(本当?)。

 だいたいは下表のような感じで示されています。

  3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
エントリー※1 内定式
会社説明会
エントリーシート※2  
筆記・面接※3      
※1 企業に対して興味があることの意思表示。エントリーしないと選考情報が手に入らない場合もあるので、気になる企業を見つけたら積極的に応募すべき。懸賞で欲しい商品を見つけたら全て応募する、というようなイメージですかね。言うまでもないでしょうが、就職情報サイトに会員登録しておけば、エントリーのたびに氏名、住所、大学などを入力する手間が省けて便利。
※2 書類選考の参考になり得るもの。定番は自己PRと志望動機。
※3 2019年度入社については経団連が選考活動開始時期を6月1日としているため(経団連HP:http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2017/0413_02.html)、6月からが就職活動本番のように見えますが、現実はそうではないのは、下記や周知の通り。

 10月の内定式をゴールと考えると、上記学生が怒られている4月なら、まだまだ余裕がありそうだと感じる人もいるかもしれません。

 そう感じたら要注意

 GW頃には内定が決まって就活を終える学生も多いのが現状です。

 だとすると、上記学生がぼーっとしている頃、最終面接を受けている学生もいたのかも、と想像します。

 大学キャリアセンターが用意しているガイドブックには、建前の採用解禁日に合わせた就活スケジュールしか載っていません(よく見ると、どこかに注意書きみたいなものがあるのですが)。上表が示す解禁日は6月(就職・面接の行)ですが、こうしたスケジュール例を鵜呑みにするピュアな学生がわずかとは言え、出てくる可能性があります。

 また、エントリー前の活動として一般的に示される内容を下表に示します(通常は上から順にやっていくイメージ)。

  3年春 3月
自己分析  
業界・職種・企業研究  
インターンシップ  
OB・OG訪問      
(エントリー)         (→)

 これらの活動は、いつから始めたらOKと言えるものではないと思います。

 上記学生が気持ちを改めて就活しよう決意したとしても、そもそも自分が何に興味があるのか、どんな仕事に就きたいのかということ(上表の自己分析)の答えをすぐ出せるのでしょうか。

 これが定まらないと、業界・職種・企業研究もやりようがありません。

 当然、インターンシップOB・OG訪問をやる動機も生まれないですよね。

 こうしたことを考えると、狙いが定まっていない学生にとっては、エントリーの1か月前や2か月前でも遅いと言えそうです。

 また、自己PRのため、TOEIC▲▲▲点、とか、取得資格■■■、と書きたい人は、企業に書類を提出する前にそれらの事実が確定していなければなりません。

 以前の記事で各業界の採用新卒TOEIC平均点について触れたことがあります(過去記事:TOEIC(その2))。

 例えば、初期点数を仮に300点とし、鉱業の平均点701点を取得するためには、900時間の勉強が必要になります(参考:友人のTOEIC挑戦記(その1))。

 これを就活スケジュールにあてはめると

  3年春 3月
4月1日に勉強開始 300点        
350時間勉強   500点      
600時間勉強     600点    
900時間勉強       700点 エントリー 

 こんな感じです。

 初期値300点はちょっと低めで仮定しましたが、就活書類に間に合わせるには1日3時間の勉強3年生の4月1日から毎日やらなくてはなりません。

 就活に向けて、こうした諸々の備えをするのであれば、少なくとも3年生になった時点では就活モードになっていた方が良いだろうと思います。

 また、上記学生に対して、院に行くしかないぞ、という先生の発言は、考え方によってはあながち間違っていないのかもしれません??

 そもそも大学院とは何ぞや、的なことは横に置いといて、2年間の猶予をゲットできるわけですから。

 ただし、これは修士まで行っても違和感のない専攻分野で、かつ、心を入れ替えて研究に専念した場合に言えることです。それでも、2年後、今以上に苦しむことになる可能性もありますが。

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