環境系の資格(その2):結局何がおすすめ?

 以前、環境系の資格について触れたことがありましたが(過去記事:環境系の資格)、環境を専攻する学生からどんな資格がおすすめか?ということを度々聞かれるので、再度整理してみます。

 環境系と言われる資格は数多くあります。

 ネットで検索したところ、環境省が公開している資料の中に環境系の資格について列挙されているものを発見しました(下のURL)。

 https://www.env.go.jp/council/34asia-univ/y340-03/ref04-2.pdf

 抜き出して下に並べてみました。40近くあります。

公害防止管理者
エネルギー管理士
特別管理産業廃棄物管理責任者
産業廃棄物処理施設技術管理者
浄化槽設備士
浄化槽管理士
浄化槽技術管理者
ISO14001審査員
ISO14000内部環境監査員
技術士補(環境部門)
技術士(環境部門)
中小企業診断士
環境カウンセラー
環境管理士
衛生管理者
衛生工学衛生管理者
環境計量士
臭気判定士
生物分類技能検定
土壌環境リスク管理者
土壌環境管理士
土壌環境保全士
林業技士
ビオトープ計画管理士2級
ビオトープ計画管理士1級
ビオトープ施工管理2級
ビオトープ施工管理士1級
造園施工管理技士2級
造園施工管理技士1級
樹木医
自然観察指導員
森林インストラクター
ネイチャーゲーム指導員
CONEリーダー(自然体験活動リーダー)
消費生活アドバイザー
家電製品エンジニア
家電製品アドバイザー

 本サイトで過去にとりあげたものもありますし、私が知らないものもかなりあります。何故に環境系に含めた?と思うものもあります。

 このように数多くの資格が存在すると、どれが将来役立ちそうか?どれが自分の能力を示すのに最適か?と迷ってしまうかもしれません。

 ただ、資格の有用性や持っていることの満足度はその人、その人で違うでしょうから、興味のある分野に合致したものがあれば、それが自分にとっての正解なのでしょう。

 以前の職場で同じ部署の若手社員が上表にある“ビオトープ管理士2級”を受験し、取っていました。
 その資格は業務には全く関係ありませんが、本人は自然の保全に興味があり、その資格が将来何かの役に立つと感じているようでした。
 私にとっては意味のない資格でもその人にとっては重要な資格ということですね。

 このように既に目標が決まっている人にとっては本記事は全く意味のないものですが、上記質問をしてくる学生はこれに当てはまらないと見ています。
 以下は、そうした学生に向けた内容です。

 私なら資格に関して次のように考えます。

1.国家資格であること

 一般的に国家資格の方が世間の信用があります。
 上表中、国家資格は14あります(下表の〇)。

 資格名 国家資格
公害防止管理者
エネルギー管理士
特別管理産業廃棄物管理責任者
産業廃棄物処理施設技術管理者
浄化槽設備士
浄化槽管理士
浄化槽技術管理者
ISO14001審査員  
ISO14000内部環境監査員  
技術士補(環境部門)
技術士(環境部門)
中小企業診断士
環境カウンセラー  
環境管理士  
衛生管理者
衛生工学衛生管理者
環境計量士
臭気判定士
生物分類技能検定  
土壌環境リスク管理者  
土壌環境管理士  
土壌環境保全士  
林業技士  
ビオトープ計画管理士2級  
ビオトープ計画管理士1級  
ビオトープ施工管理2級  
ビオトープ施工管理士1級  
造園施工管理技士2級  
造園施工管理技士1級  
樹木医  
自然観察指導員  
森林インストラクター  
ネイチャーゲーム指導員  
CONEリーダー(自然体験活動リーダー)  
消費生活アドバイザー  
家電製品エンジニア  
家電製品アドバイザー  

 民間資格でも名の知れたものはありますが、受験費、登録費、維持費が高額なものもありますし、上表に関しては、ビジョンもなしに学生が手を出すのはやめておいた方がいいでしょう。

 一方、国家資格にも様々なものがあり、もっとよく見る必要があります。

2.必置資格か否か

 ある事業を行うにあたって事業所に有資格者を必ず置かなければならないと定められているのが必置資格です。

 これまで何回か触れた環境計量士は必置資格です。計量事業を行う場合には環境計量士の資格を持っている人が必ず必要になります。

 上表中、必置資格は10あります(下表の△)。

 ただ、必置資格は、企業にとっては多くの社員が持っていてもあまり意味がありません。事業所に1人置いとけば良い場合、10人の有資格者がいても9人は宝の持ち腐れということになります。残念ながら、その資格を別の何かの業務に活かすという途はありません。

 通常、企業で必置資格を誰も持っていないという状況は考えにくく(それだとそもそも事業ができないため)、資格が生きる場面はそうないと感じます。つまり、必置資格を取る意味は多くの場合、その資格試験に合格するだけの知識がありますよ、という証明になるくらいでしょう(あとは、ホームページに有資格者数を公開している企業において資格者数が多いというアピールに貢献できる、とか)。

 環境計量士は環境系の学科で推奨資格になっている場合が多いですが、前記のような実情を鑑みると、個人的には取得推奨にやや違和感をおぼえます。就活でちょっとでも評価されるかもしれないから、という考え方もありと言えばありでしょうが。このあたりは考え方の分かれ道かもしれません。

資格名 国家資格 必置資格
公害防止管理者
エネルギー管理士
特別管理産業廃棄物管理責任者
産業廃棄物処理施設技術管理者
浄化槽設備士
浄化槽管理士
浄化槽技術管理者
技術士補(環境部門)  
技術士(環境部門)  
中小企業診断士  
衛生管理者
衛生工学衛生管理者
環境計量士
臭気判定士  

 対外的に資格を積極活用したいのであれば必置資格でない資格に絞られます。

 上表中、必置資格でない資格は下の4つです。

技術士補(環境部門)
技術士(環境部門)
中小企業診断士
臭気判定士

 ただ、資格の有用性を判断するにはこれだけでは物足りないです。

3.業務独占かどうか

 業務独占とはその資格を持つ者だけに業務が認められているもののことを意味します。例えば、医者の医療行為。

 上表中、業務独占はあるでしょうか?

  業務独占
技術士補(環境部門)  
技術士(環境部門)  
中小企業診断士  
臭気判定士

 技術士中小企業診断士の業務としてはコンサルティングが挙げられますが、そもそもコンサルティングをやるのに資格は必要ありません。すなわち業務独占ではありません。

 業務独占でなければ、やはり必置資格と同じく、その資格を持っていることで、知識がありますよ、という証明の意味が大きいと言えそうです。上の2資格は難易度が高く信頼性があり、起業、独立している人もいます。業務独占でなくても仕事に結びつけることはできますので、ここも人によって考え方が分かれるところでしょう(というか、そもそも中小企業診断士は環境系の資格なのか?という疑問がありますが)。

 臭気判定士は嗅覚測定法に関して業務独占ですが、学生からすると分野がマニアックすぎます。また、下記4のような展開はイメージできません。

4.もっと野心的な資格はないのか?

 環境分野でもっと使える資格はないのか?と聞いてくる学生もいました。

 収入に直結する資格という意味で言っているようでした。

 社内報奨金や社内手当での収入ではなく、第三者にサービスを提供して対価を得る資格です。

 実は、環境をウリにしている有資格者は多いです。

 例えば、士業で環境分野を主戦場としている人を挙げることができます。

 環境訴訟を専門にする弁護士はエッジの効いた業務をやっていると言えます。

 産業廃棄物処理業者の手続きを専門とする行政書士もしかりです。

 いわゆる士業の多くでこうした展開が考えられます。

 このような有資格者がスペシャリストとして環境分野に進出できるのは業務独占だからだと考えることができます(下イメージ図)。
 環境計量士や技術士が環境訴訟の代理や産廃業者の行政手続代理をやると法律違反となり処罰されますから逆のパターンは不可能なのです(←ここが最大のポイント)。

 イメージ図
 

 これらはあくまで資格に対する考え方の一例です。納得できない人は自分なりの切り口で探してみてください。

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