資格:放射線取扱主任者

 先日、大学時代の後輩と再会しました。その後輩は本サイトにたびたび出てくる福岡県人寮の出身者です。今は福岡で放射線技師をしていて、第1種放射線取扱主任者の資格を持っています(なお、今回の放射線取扱者という資格と放射線技師になるための資格は全く関係はありません)。

 放射線取扱主任者というのは国家資格です(試験の実施主体は原子力安全センター)。

 ただ、どのような資格なのか知る人は少ないかもしれません。原子力安全センターのホームページには、放射線障害の防止について監督を行うものだと一文があります。ただ、放射線取扱主任者とは何か、という詳しい説明は見当たりませんでした。

 せっかくなのでこの後輩に聞いてみました。

 以下、Q&Aで

Q.放射線取扱主任者ってどんな場合に必要な資格なの?

A.病院では放射線源を医薬品として扱う場合などに必要です。

Q.どんな職種に求められるの?

A.放射線障害の防止のため設置が求められる資格ですが、特にどの職種でなければならないってわけではないですね。放射線技師が持つ資格というわけでもなく、薬剤師で持っている人も結構いますし、メーカーでは工学系の人も割といるようです。

Q.危険物取扱者みたいに、所定の場合にはその資格者を設置しなければならないって感じだね。その資格持ってて何か良いことあった?

A.うちの病院では資格手当が毎月1万円でますね。

Q.だったら投資回収は余裕でできそうだな。

A.ただ、試験に受かった後に、講習を1回だけ受けなくちゃいけなくて、それが17万円するんですよ。自腹だとこれが痛いですね。

Q.一般に勉強時間はどれくらいかかるの?

A.全く知識がなければ半年、ある程度の理系知識があれば3カ月あればいけると思います。試験は暗記系なんで。実は、以前は割と難しい試験だと言われていましたが、最近はかなり易化してるんで資格の有難みも減っていますね。学生の合格者もいますよ。

Q.持ってたら就職に有利とかあるの?

A.以前は分野によってはそんな話もあったらしいですけど、今はどうでしょうかね。

 ここで、放射線取扱主任者試験について試験範囲と受験・合格者データを以下に記載します。第1種と第2種がありますが、第1種の方が選任範囲が広いです。細かいことは前記、原子力安全センターのサイトで確認してください。

<第1種>

物理学、化学及び生物学のうち放射線に関する課目 6問、多肢択一式
物理学のうち放射線に関する課目 30問、五肢択一式
化学のうち放射線に関する課目 30問、五肢択一式
放射性同位元素及び放射線発生装置による放射線障害の防止に関する管理技術並びに放射線の測定技術に関する課目 6問、多肢択一式
生物学のうち放射線に関する課目 30問、五肢択一式
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目 30問、五肢択一式
  受験者数 合格者数 合格率
第53回 3,570 1,229 34.4%
第54回 3,815 856 22.4%
第55回 3,822 945 24.7%
第56回 4,077 1,225 30.0%
第57回 4,218 978 23.2%
第58回 4,179 1,233 29.5%
第59回 3,678 951 25.9%
第60回 3,853 1,181 30.7%
第61回 3,678 788 21.4%
第62回 3,767 819 21.7%

<第2種>

放射性同位元素による放射線障害の防止に関する管理技術Ⅰ 5問、多肢択一式
放射性同位元素による放射線障害の防止に関する管理技術Ⅱ 30問、五肢択一式
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目 30問、五肢択一式
  受験者数 合格者数 合格率
第50回 2,818 1,066 37.8%
第51回 2,659 772 29.0%
第52回 2,701 1,266 46.9%
第53回 2,707 750 27.7%
第54回 3,046 615 20.2%
第55回 2,859 861 30.1%
第56回 2,642 522 19.8%
第57回 2,629 787 29.9%
第58回 2,623 801 30.5%
第59回 2,485 503 20.2%

 以前の合格率がどの程度だったのかはわかりませんが、最近の合格率は第1種、第2種ともに20~30%。まじめにやれば受かる試験ではないでしょうか。

 学生の挑戦者もいるとのことですが、受かった後に必要になる場面は限られるでしょうから、採用や手当などに過剰な期待はしない方がいいでしょうね。

 

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