あるIT企業採用担当者の話

 先日、ITコンサルタントの集まりがあって参加してきました。

 その集まりはITコーディーネーターという民間資格保有者の実務研究会で、参加者には資格を維持するのに必要な単位が付与されます。

 私は、この資格の保有者ではありませんが、昔の職場の上司がここの会員なので、声をかけられたまに顔を出しています。

 研究会の後に飲み会をやるのが恒例なのですが、その時、IT企業で採用担当している人に新卒採用について話を聞いてみました。

 その企業は独立系システムイテグレータ―(SIer)で従業員規模は2000人レベルです。

Q.ぶっちゃけ、採用にあたって大学の知名度は考慮していますか?

A.うちは出身大学は一切関係ないです。

Q.採用まではどんな流れですか?

A.まず、エントリーシートやSPIがあって、その後、グループワークや面接ですね。

Q.SPIで何かわかることがあるんですかね?

A.うちは社風としては、顧客に積極的に提案したり、新しいことに取り組める人材を重視しているので、そうした積極性がある人を見極めるのに使っています。どの企業でもそうだと思いますが、SPIは足切り的なものに使っているだけです。切る対象になった応募者は担当者の方でも再確認しています。

Q.SPIによって切られる、切られないの基準は企業それぞれだということになるのですかね?

A.まあそうだと思います。それに、社風に合わない企業には就職しない方が学生自身のためでもあると思います。うちだったら仮に採用されても合わなければすぐに辞めちゃうと思います。

Q.IT企業、というとITの知識がある学生が多いというイメージがありますが、どうでしょうか?

A.実際には半々です。かなり勉強している学生もいますし、逆に全く知識を持たない学生もいます。理系、文系もほとんど関係ないです。

Q.ITの知識レベルがゼロ、例えば全くコードを書けなくても大丈夫なんですか?

A.うちでは入社時点の知識はあまり関係ないです。入社してからは、全体研修で基礎知識を学び、その後、OJTでそれぞれ個別に学んでいきます。どんな人でも入社から3年経てばそれなりのレベルになりますよ。

Q.IT知識は重要ではないということですね。だとするとグループワークや面接では何を見ているんですか?

A.うちではグループワークは協調性です。

Q.と言うと具体的には?

A.うちの業務は顧客の話をよく聞く、チームで動くということが求められます。そのような適性があるかどうかですね。

Q.人の話にきちんと耳を傾けることができない、我を押し通す、という人材が落ちるということですね。面接でもそうでしょうが、こうした人材を見極めるのに面接官による好き嫌いってないですか?

A.採用したい、採用しない、を後で採用担当者同士で突き合わせるんですが、これがほぼ一致するんですよ。

Q.あと、理想像に近い学生ばかり採用していたら、同類の社員ばかりになって面白味のない組織になる心配はないですか?

A.選考にあたり、なんか嫌いなタイプだ、という学生をあえて一定数採用するという手法もあります。

Q.コミュニケーション力は低いが、コード知識が非常に高い、という学生が採用されるということもあるということですか?

A.その例えだと、他所はあるかもしれませんが、うちはないですね。うちでは例え東大で知識がすごくてもコミュニケーション力が低ければ採用されません。

 今回の話で、IT企業はITがお得意でなければ採用されない、というわけはなさそうだと思いました。

 時々、「言語は何をよく使いますか?」と聞いてくる学生がいるそうです。その時は、「日本語です」と返事をするのだとIT企業の人は笑っていました。

 結局、IT企業であっても重視するのはコミュニケーション力のようですね。

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