「トイレタリー」という分野の企業を見ていきたいと思います。
ただ、その前に「トイレタリー」とは何なのか?という謎があります。
トイレ関係?
英語のスペルは「toiletry」
和訳を調べると「化粧品」、「洗面道具」などと出てきます。
ただ、トイレタリーを企業分野で使うときには、こうした化粧品や洗面道具だけでなく、殺虫剤や芳香剤などのメーカーを指す場合もあるようですし、明確な定義はどこにも見当たりません。
コテコテの化粧品とも区別されているようです。
また、化粧品、製薬、洗剤、おむつ、歯ブラシなど、それを製造するのに要する技術領域も様々であり、トイレタリーというくくりが適当なのか、と感じることもあります。
こうしたトイレタリーメーカーを特許出願数という企業情報を足掛かりに各社を比較してみたいと思います。
選んだ企業はテキトーです。何がトイレタリー分野の企業なのか、正直よくわかりませんので。
ただし、あくまで参考情報ということでお願いします。
経営情報に関する数値は刻々変化するものであり、また、本サイトで取り上げる情報が必ずしも正確だとは限りません。
売上高、従業員数は就職四季報2018年版(東洋経済新報社)を参考にしました(東芝は有価証券報告書より)。
上記はこの分野の企業を適当に抜き出してきて、売上順に並べたものです。
これまでさまざまな企業の比較を行ってきましたが、今回は企業によっては製造する商品がかなり異なりますので、一律に並べて比較するのが必ずしも適当だと言えない部分もあります。
<特許出願数>
事業に関わる特許を多く保有しているほど他社の動きを封じることができるので競争優位だと考えることができます。
上表を見ると、この分野の巨人は花王だと感じます。
売上高がトップである以上に、特許出願数では群を抜いています。商品開発に力を入れているということがうかがえます。
ライバル(?)のライオンと比べると、売上高は約3.5倍ありますが、特許出願数は約4.8倍もあります。
<一人当たりの売上高(売上高÷従業員数)>
上表では参考情報として記載しました。
<一人当たりの特許出願数(特許出願数÷従業員数)>
どの企業においても開発者1人の特許出願件数に大差がないと仮定すると、この数値が大きいほど開発人員の割合が大きいと考えることができます。
この数値で見ると、ユニ・チャームが目を引きます。紙おむつや生理用品では国内首位の企業です。
次いで花王。
この2社は他社と比較してかなり技術職が多いと予想します。
<売上高に対する特許出願数(特許出願数÷売上高)>
この指標が同業他社よりも大きいということは、(同業他社と同程度の売上高であるのなら)売上にとって役に立たない特許が多いと見ることができますし、一方で、明日の売上につながる技術開発を常に行い続けている、と見ることもできます。
染色剤、パーマ剤などを扱うミルボンはこの値が相対的大きいです。そして次にまた花王。売上に結びつかない特許出願も多いのかもしれませんが、成長志向(将来の新規事業のための開発が活発)のあらわれかもしれません。
資生堂やポーラなど化粧品系メーカー、小林製薬のような製薬系メーカーはこの数値が小さいですが、一商品の中に発明要素が多くあるというものではないということも影響しているかもしれません。
あと、今回外資系企業は対象から外しましたが、この分野だとプロクター&ギャンブル(P&G)は有名ですよね。売上高10兆円レベルという世界トップの企業です。