理系男(その1)

 東京は雨の日が続いていますね。湿度高めですね。

 日本の夏は湿度が高いので海外の夏に比べても気温の割に暑いと感じる、なんてことがよく言われます。

 ただ、湿度が低すぎるとノドをやられます。高すぎるとカビなどの問題があります。
 だいたい40~60%ぐらいがちょうどいいのですかね。

 この湿度ですが、絶対湿度で意識したことがありますか?

 意識したことがある人は研究者向き、開発者向きの性格かもしれません(あくまで個人的な考え)。

 以前、恩師が学生の博士論文についてうなっていたことがあります。その論文には実験環境データとして温度や湿度などが記載されていたらしいのですが、論文では相対湿度に基づき検討されている点に疑問を感じているようでした。

  “湿度”とは空気中に含まれる水蒸気(気体の水)の量を比率であらわしたもののことを言います。

 そして、暑い夏の湿度50%と寒い冬の湿度50%の空気中に含まれる水分量は違います。 
 それぞれの季節で除湿器を運転させてみるとすぐにわかります。

 この湿度には“絶対湿度”と“相対湿度”があります(下枠内は興味がなければ無視してください)。

<参考>
 水蒸気を全く含まない空気を乾燥空気といい、水蒸気を含む空気を湿り空気という。重量基準では、1kgの乾燥空気と共存する水蒸気の質量[kg]で湿度を表したもの絶対湿度とよぶ。
 気象関係では、現在の気温に対する飽和水蒸気圧Eと現在の空気中の水蒸気圧eとの比(百分率)、R=(e/E)×100%を相対湿度または単に湿度という。
(化学辞典 東京化学同人)

 一般に言われている湿度とは相対湿度のことです。

 上記のように水(H2O)は暑い夏にはガス(気体)として空気中に多く存在することができます。
 一方、寒い冬(冷たい環境)だとガスとして空気中に多く存在することができません(部屋を加湿すると冷たい窓ガラスに触れて結露するする現象はまさにこれですね)。

 その温度でガス(水蒸気)として存在できる最大量に対してどれだけの量が存在するのかが相対湿度です。

 上イメージ図のように同じ相対湿度であっても水蒸気の量は温度によって異なります。
 一方、その空間に存在する水蒸気の絶対量を表すのが絶対湿度です。

 世間的には相対湿度が一般的なので、大学の実験や企業の研究開発においても、この相対湿度を指標に管理している場合が多いかもしれません。

 しかし、水も立派な化学物質です。
 他の化学物質製品の性能に影響を及ぼし得るかもしれない水分子の存在は絶対量で見るべき場合が多いのではないでしょうか(例えば製品のさびやすさなど)。

 上記博士論文の件もこの視点が抜け落ちていたということかもしれません(と、勝手に想像)。

 相対湿度と絶対湿度、そんなの当たり前のように意識している、という人はご立派。理系脳ですね。

続き:理系男(その2)

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