球速表示の疑問

 甲子園では高校野球が開催中です。

 私の地元福岡県からは東筑が出ましたが、開幕早々に敗退(久々の公立の代表ということで、同じ公立で昔、ベスト4まで進出した久留米商業のような快進撃を期待していたのですが)。
 去年も初戦敗退でしたし、福岡県勢の夏は20年以上ベスト4さえもなく、暗黒時代が続いています。

 ところで、最近では高校野球も球速表示されるようになりました。

 注目の速球投手が何キロ計測するかは見る側にとって楽しみの一つです。
 何回か甲子園まで見に行ったことがありますが、150キロが計測されると、オオッ、というどよめきが湧いていました。

 ただ、この球速表示はスピードガンの性能などの問題から疑問視されることも多いです。
 特に甲子園のスピードガンは他球場よりも数キロ早くでると言われています。(今年の夏は投げる方より打つ方でボールが飛びすぎだと疑問が出ていますね)

 ちなみに1998年以降の高校野球の主な最高球速をグラフ化すると以下のようになりました。
 

 球速そのものに関する疑問は解消されませんが、同一球場の(おそらく)同一のマシンで計測したデータですので各年代の比較はできます。
 バラつきは大きいですが、時代の経過とともに少しずつ球速は上がってきていると分析できるかもしれません。

 ここでスピードガンの課題や技術について特許出願明細書から見ていきたいと思います。

 下の図はユピテルという企業の特許出願に描かれている図です(特開2011-147500 図1)。

 

 この出願明細書からスピードガンに関する技術情報を3つピックアップしてみました(以下の箇条書き)。

一般的な計測原理はボールにマイクロ波を当て、反射波の周波数変化から球速を計算している(いわゆる“ドップラー効果”を利用したもの)

初速の計測については、投手がリリースしたボールをボールと認識するまでに時間がかかる(誤差が生じる)

終速の計測については、主審や捕手が邪魔になって測定不可能な領域がある

 上記特許はこうした問題を解決しようというものです(具体的内容は割愛)。
 ただ、スピードガンに関する特許出願数は多くありませんでした。市場が小さいからでしょうかね。

 マイクロ波を照射する位置は一定であっても、右利き、左利き、オーバースロー、サイドスロー、アンダースロー、リリースポイントなど様々な違いからマイクロ波の反射位置が異なれば球速に少なからず影響がありそうです(救急車が同じ速度で走行していたとしても、走っている方向や自分からの距離が異なれば、当然、聞こえ方が違ってきますし)。

 スピードガンの表示は絶対ではないと考えた方がいいですね。

 最高球速ばかりが取り上げられますが、それだけでなく所定区間の初速と終速の差も出してほしいですね。
 昔のプロ野球中継では両方表示されていたような気がします。
 こっちの値で見た方が球が切れている投手がわかりますし、意義のある指標になると思うのですが。
 全国には130キロ台でもすごい投手がいるかもしれません。

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