ZEVで見る“環境問題”のパワー

 電気自動車の開発、販売を視野にトヨタとマツダが資本提携するというニュースがありました(参考:下枠)。

<参考>
NHK NEWS WEB7月30日「日本の大手自動車メーカー 電気自動車へシフト本格化
ヤフーニュース8月4日「トヨタ・マツダ資本提携へ…次世代車の開発加速
東洋経済ONLINW8月5日「トヨタとマツダがEV戦争に「結婚」で挑む事情

 こうした動きの根底にはCOなどによる地球温暖化やNOxやSOxによる大気汚染などの環境問題があります。

 そして記事にもある通り、世界的には電気自動車や燃料自動車など排出ガスを出さないZEV(Zero Emission Vehicle)の流れにあります。

 各国、各都市の規制の内容によるのでしょうが、完全な電気自動車しか認められないということになると、ハイブリッドカーは駆逐されてしまいます。

 法律や規制というのは企業にとって恐ろしいものです。

 どんなに先進的なハイブリッドカーを開発しようが、“ハイブリッドカーの使用を認めない”というルール一つで事業ができなくなってしまうからです。

 上述したように、こうした規制の出発は温暖化や環境汚染という環境問題です(下イメージ図)。

 潜在的な環境問題を予測するということは企業の規制対応(事業リスク対応)につながります(環境について勉強することはビジネスリスク低減にも役立つものだと考えることができるでしょう)。
 規制化されてから対応していては企業がつぶれてしまいます。
 (先進的な取組みができる組織体質かも含め)いかに早く対応できるかがポイントでしょう。

 こうした規制はいくつもあり、例えば、電気、電子機器における有害物質の使用を制限したRoHS指令(ローズ指令)があります。

 また、こうした環境問題対応については、どのような技術を採用するかという悩ましい問題があります(下イメージ図)。

 今回の件だと、地球温暖化問題に対応するためのエコカーとしては、ラジコンカーのように電気で走る“電気自動車”と水素を燃料として走る“燃料電池自動車”があります(ここではハイブリッドカーについては過渡的なものとします)。

 どちらの技術が市場で勝ち残るかは様々な要因があり、判断が非常に難しいですね。
 スーファミか?それともPCエンジンか?(あるいはメガドライブか?)というかつてのゲーム業界の市場バトルを彷彿とさせます(?)。

<特許出願件数でみる自動車メーカー4社>
 各社が「電気自動車」、「燃料電池」についてどれだけ特許出願しているかキーワード検索してみました(ただし、情報にノイズや不足がかなりありそうです)。

  電気自動車 燃料電池
トヨタ 708 8012
日産 690 3818
ホンダ 317 4047
マツダ 67 46

 トヨタ、日産、ホンダから見られる傾向としては燃料電池に関する特許出願が多いということです。
 電気自動車について特許出願件数が少ない可能性として、例えば、特許性のある技術要素が少ない、開発に熱心でない、家電メーカーなど他分野メーカーの技術に頼っている、今回の調べ方が雑(以前の記事で紹介した次世代電池ではトヨタの出願が結構ありましたし)、などが考えられます。
 上記特許出願件数から考えると、上位3社の開発部としては燃料電池車で展開していきたいのが心情ではないでしょうか?
 マツダだけ電気自動車の出願件数が多いですね。
(ざっくりとしか調べていませんのでテキトーな目で見てください)

 報道などでは電気自動車に風が吹いているような気がしないでもないですが、エネルギー(電気や水素)の製造過程も含めてどちらが環境対応に向いているか考える必要があります(電気を作るにしても火力発電に頼るのなら結局COを排出することになりますし、水素を作るにしても石油から生産する必要があります)。
 また、政策的な問題(太陽光発電と組み合わせて充電する仕組みを作る、とか、水素ステーションをどんどん増やしていく、とか)も絡んできます。

 いずれにしても環境に配慮している、という視点は外せません。

 “環境”に良いことに反対するという人はいませんから。
 

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