太陽光発電で車は動くか?

 一時期騒がれた中国の立体バス(道路をまたいで走行するやつ)が実は詐欺だったというニュース記事があちこちで見られます。

<参考>
中国発「夢の技術」は詐欺だった(産経ニュース2017年7月20日記事)

 このバス、当初は屋根で太陽光発電し走行のために給電する、というようなことが言われていました。

 ここでは上記バスビジネスが詐欺だったかどうかということよりも、太陽光発電したもので車が動かせるのか、という点で見てみます。

 太陽光発電パネルの発電量はメーカーや機種によって様々ですが、1㎡の面積を使って大体100~300W(ワット)です(参考:太陽光発電総合情報)。

 ここで世の中の電気製品が大体何Wで動くのか以下に挙げてみました(私の所有物に基づきます)。

 扇風機・・・40W

 ノートPC・・・65W

 照明・・・300W(ある白熱電球)

 エアコン・・・680W(冷房)

 電子レンジ・・・950W

 ドライヤー・・・1000W(=1kW)

 普通乗用車の屋根程度の面積(1㎡くらい)ではノートPCを動かせる程度です。

 太陽光発電で(充電するのではなくリアルタイムに電力を消費し、)車を動かすというのは現実的ではないですね。

 ソーラーカーというのがありますが、よく見ると、極限まで車体を軽くしたり、空気抵抗を少なくしたり、バッテリーを搭載したりしています(ですので、ここではソーラーカーについて産業用途の車とは別物として考えます)。

 太陽光発電の原理(太陽の光でどうして発電するのか)については産総研のHPでわかりやすく解説されています。
 産総研HP:太陽光発電研究センター

 簡単に言うと、太陽光発電は太陽の光に刺激を受けて電子が動き出すという物理化学現象を、半導体という素材を利用するなどして電子が動きやすい環境を作って実現している、ということです。

 大量の電気を取りだすには多くの電子を動かす必要があり、そうすると多くの太陽光を受光しなければならないということで、広い面積が必要になります。

 結局、実効的な太陽光発電にはそれなりの面積が必要になるので、乗り物に取り付けて直接動かすのには向いていないと言えます。

 そもそも天気が良くない日や夜は発電できませんし、PM2.5で空気がよどみやすい中国の都市部では発電効率も良くないのでは、と思ってしまいます。

 日本も平地が少ないだけでなく天気が変わりやすいし、太陽光発電向きとは言い難いですね(ただ、売電したい人が抱えるこうした問題には“天候デリバティブ”と言われる金融サービスが登場する余地があります)。

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