ビールメーカー4社の特許

 ビールがうまい季節になりました。

 夏の薄明るいうちに冷えたジョッキで生ビールを飲むというのは贅沢な気分も味わえていいですよね(そうそうできませんが)。

 私の場合、学生の頃(まだ20代の頃)は飲みとなると最初から最後までビールでした。
 ただ最近は年のせいなのか、それともそういう時代になったのか、ビールは2杯目くらいまでですぐにハイボールや焼酎に切り変えることが多いです。
 飲む量も減ったと思います。

 日本人の飲酒量は近年減ってきているのですが、人口のボリュームゾーンが高齢化してきたことが一因になっているかもしれません(下図:国税庁 酒レポート図2成人人口の推移(年齢層別))。
 

 アルコールの種類は昔に比べるとバリエーションが増えたような気がします。ビールひとつとってもクラフトビールなんてものは昔はほとんどお目にかからなかったですし。
 こうした多様化もデータにあらわれています(下図:国税庁 酒レポート図6各酒類の販売(消費)数量構成比率の推移)。
 

 現在、国内でメジャーなビールメーカーというと、アサヒキリンサントリーサッポロが挙げられます。

 ビール以外も含めた売上高だと

1.サントリーホーディングス 2兆6,867億円
2.キリンホールディングス 2兆1,969億円
3.アサヒグループホールディングス 1兆8,574億円
4.サッポロホールディングス 5,337億円
(会社四季報業界地図2017年版 東洋経済新報社)

です。

 サントリーはウイスキーのイメージが強く、他の企業はビールのイメージはあるが銘柄以外に何がどう違うのかよくわからん、という人も多いのではないでしょうか(そうでもないですかね)?

 21世紀以降に出願された特許件数(権利化されたもの)から見ていきます。

 ビール会社というのはあまり特許出願するような分野ではないのですが、それでも研究開発の成果や事業上重要と判断されるものは一定数、出願、権利化されています。

 下図は各社「ホールディングス」と「ビール会社」の名前から単純に抽出した結果です(グルーブ会社などの特許が含まれている場合があります)。

 

 一番件数が多かったサントリーの特許を見てみると、医療栄養食品関係の開発が見られます。もちろんビールの製造に関わるものもありますが、樽容器殺菌装置など飲料周辺物(容器や装置)に関する特許も見られます。
 開発人材としては化学生物系のバックボーンを持った人が多いと予想します。製造装置や殺菌装置などの出願があるのを見ると機械系電気系も一定数いるのでしょう。

 特許件数に違いはありますが、他の企業の特許の中に示されている内容は大体似たような感じでした。

 ちなみに各社、直近10件は以下のような発明(発明の名称)でした(ご参考)。

アサヒ 炭酸飲料
柑橘類果実様飲料及びその製造方法
免疫調節作用を有する乳酸菌のスクリーニング方法
瓶入り発泡飲料用泡立て装置
容器詰め炭酸アルコール飲料の殺菌方法
ビールテイスト飲料の製造方法
非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法
飲料コップ本体
ビールテイスト飲料の製造方法
嫌気培養装置
サントリー チャ由来モノテルペン配糖体化酵素及びその利用方法
アシル-CoAシンセターゼホモログをコードするポリヌクレオチド及びその用途
アシル-CoAシンセターゼホモログをコードするポリヌクレオチド及びその用途
神経再生剤
希釈用ボトルおよび飲料提供装置
麦芽使用ノンアルコール飲料及びその製造方法
新規糖転移酵素遺伝子及びその使用
飲料
低pH飲料
シールヘッドおよび同シールヘッドを用いて封止された容器
キリン タンパク質の生産方法
たん白質の精製方法
光源付きコースター及び透明容器入り穀類分解物含有発泡性飲料と光源付きコースターとの組合体
カシス果実由来の多糖含有組成物の製造方法
ホップ香気を強調し、かつ渋味を低減した発酵麦芽飲料
耐圧コック
トピラマート顆粒
トピラマート含有固形製剤
蓋付カップ容器
Frizzled2の細胞外領域蛋白質のトランケート体を含む蛋白質、および該蛋白質を含有する骨疾患治療用医薬組成物
サッポロ ノンアルコール飲料、原料液及びこれらに関する方法
発泡性ノンアルコール飲料及びこれに関する方法
蒸留酒の製造方法
瓶保持体
乳酒の製造方法及び乳酒
瓶保持体及び補助部材
ビールテイスト飲料及びその製造方法
飲料の製造方法、及び飲料
飲料注入アタッチメント
麦芽豆乳及び麦芽豆乳の製造方法

 なお、キリンの特許の多くは“協和発酵キリン”というグループ企業のもの(主に医療系発明)でした。
 それを除くとキリンはあの売上の割にはかなり特許出願件数が少ない企業だということになります。

 ただし、特許件数が少ないからといって開発に熱心でないと判断するのは早計です。
 コーラの製法のようにノウハウとして秘匿するという判断もありますし、企業の方針によるところもあります(もともと特許はあまりとらない業界です)。

 一方で特許出願をやってくるところは、そうでないところに比べて技術重視な風潮があったり、新規分野の模索に熱心なのかも(あくまで“かも”)しれません。

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