脱臭の特許が多い企業

 カビの季節ですが“におい”の季節でもあります(とはいえ今のところ梅雨という感じがあまりしませんけど)。

 今回は脱臭について取り上げます。

 “脱臭”とは、においの元となる成分(化学物質)をいかに取り除くか、または、いかに紛らわすか、ということにかかっています。

 地味なように見えて、脱臭とは身近なところでは体臭からスケールがでかくなると公害とか製造工場の問題まで幅広く、また解決できていない技術課題も多いと言えます。

 完璧な脱臭ができれば、こてこてのとんこつラーメン屋が近隣住民とトラブルになることはなくなるでしょうし、喫煙可の店内でタバコ臭さもなくなるでしょう。

 臭気成分(ここではガス成分)の処理、という観点から思いつく技術的なアプローチを列挙すると

・活性炭にような表面に微細な細孔を有する素材による物理吸着

・素材表面の化学成分との反応を利用した化学吸着

・水などへの溶解処理

・光触媒や放電などで活性雰囲気をつくり分解処理

・気流制御、拡散防止、換気などの空気のコントロール

といった感じでしょうか。

 臭気成分の処理とは少し外れますが、

・芳香剤やオゾンなどを優先的に嗅覚と反応させるマスキング(オゾンは分解効果もあるが気中成分の分解力はそれほど強くない)

もあります。

 脱臭関連の商品は原理的には大体上のいずれかに分類されると思います。

 上ではぱっと簡単に挙げましたが、活性炭一つとっても、ポアサイズ(表面細孔のサイズ)によって吸着できる物質が異なってきますし、用途に応じて狙った効果を出すためには多くの技術要素を組み合わせなければなりません。その他の技術も同様です。

 開発人材としては、化学メカエレキなどのバックボーンを持った人が求められるでしょう。

 また、脱臭をキーワードに今回もどのような企業があるのか特許出願情報から調べました。

本サイトでは、たびたび特許情報から企業を取り上げています。
特許件数が多い≒企業競争力がある
だろうという考えに基づくものです。


(パナソニックIPマネジメントはパナソニックの特許出願を含む)

 家電製品を作っているパナソニック三菱電機シャープは多くの製品について特許出願しています。例えば、
・空気清浄機
・洗濯機
・収納
・空調
・冷蔵庫
・便器
・衣類メンテナンス
・ゴミ箱
・加熱調理器
など脱臭技術を備えた製品は様々です。

 富士通ゼネラル空気清浄機脱臭機に関する特許出願がメインです。

 花王、ライオンのトイレタリーメーカーは過去記事「育毛特許と業界」でも触れ、比較しました。今回は消臭、芳香剤関係の出願が見られました。

 TOTOとLIXILについても過去記事「トイレの特許と業界」で出てきた企業です。トイレの脱臭便座洗浄などの出願があります。

 石塚硝子はガラス容器メーカーです。HP上では触れられていませんが、消臭機能を備えた容器消臭スプレーに関する出願などから「におい対策」についても開発していることがうかがえます。

 東洋紡は繊維、化学品などのメーカーです。脱臭フィルタなど上記の吸着素材に関する特許出願をしています。

 上記は“脱臭”をキーワードに最近、特許出願が多かった企業を挙げただけですので、調べ方によってはまだまだ多くの企業が出てくるはずです。

 ハイテク感はあまりありませんが、カビの臭いやトイレの臭い、タバコの臭いなど、現実に何とかならないかと思っている人は多いはずで、技術的なハードルは意外と高い分野だと思います。

 

 

 

 

 

 

LINEで送る