労働衛生環境と関連資格(その2)

 前回、“衛生管理者”について取り上げました。

 職場の衛生環境に関わる資格はまだあります。

 一応ことわっておきますが、学生向けの資格ではありません(将来の参考ということで)。

■労働衛生コンサルタント(国家資格)

 労働衛生コンサルタントとは事業場の衛生についての診断や指導を行なうことを業務としています。

(労働安全衛生法条文:業務)
第八十一条  (1項省略)
 労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする。

 ここで、前回紹介した衛生管理者と何が違うのか?という疑問が生じます。
 衛生管理者の業務は

(1)労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること 
(2)労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること 
(3)健康診断の実施その他の健康の保持増進のための措置に関すること 
(4)労働災害防止の原因の調査及び再発防止対策に関すること
等のうち衛生に関する技術的事項の管理

でした。

 違いは「他人の求めに応じ報酬を得て」業務を行うかどうかの部分です。

 つまり衛生管理者が企業内部で業務を行うのに対し、労働衛生コンサルタントは外部の専門家として業務を行うということです(下イメージ図)。

 

 独立開業して業務するイメージですね。

 衛生管理者よりも労働衛生コンサルタントの受験資格要件は厳しいです(他人から報酬をもらって業務を行うから当然ですね)。
 細かいので次のサイトで確認してください。

 公益財団法人 安全衛生技術試験協会HP
 http://www.exam.or.jp/exmn/H_shikakueisei.htm

 理系卒業者の場合は5年以上の実務経験※に従事する必要があります。

※実務経験
① 労働衛生管理計画の企画、立案及び運営に関すること
② 労働者の健康診断及びその事後措置に関すること
③ 作業環境や作業条件の調査、測定やその改善に関すること
④ 衛生教育計画の作成、運営に関すること
⑤ 有害物中毒等の調査、分析に関すること

 実務経験が要件となっていない場合もあります(以下)。
 ・医師家試験合格者
 ・歯科医師国家試験合格者
 ・薬剤師
 ・技術士試験合格者
 ・1級建築士試験合格者
です。

 試験科目は以下の通りです。
 平成28度の最終合格率は30.1%です。

筆記試験 労働衛生一般
労働衛生関係法令
健康管理、労働衛生工学
口述試験 筆記試験の範囲に関する質問

 労働衛生コンサルタントになったら独立開業できるかという質問は愚問でしょう。
 結局、客商売ですから。
 今の国内で独立が保証されている資格なんてないと思います。
 ただ、損害保険会社社会保険労務士などの業務との親和性はありそうですね。

 そういった意味では次の資格も同様に考えることができます。

■労働安全コンサルタント(国家資格)

 “安全”とある通り、事故によるケガ(労働災害)などを防止するというイメージです(「そんな仕事の仕方をしていたらケガしますよ」という感じで安全診断や安全指導をするのが業務です)。

 受験資格は以下のサイトにあります。

 公益財団法人 安全衛生技術試験協会HP
 
http://www.exam.or.jp/exmn/H_shikakuanzen.htm

 かなり労働衛生コンサルタントに似ています(医師、歯科医師、薬剤師が含まれていない点が異なりますね)。

 試験内容は以下の通りです。選択科目をどれにしても資格取得後の効果は変わりません。

択一式 労働安全一般
択一式 産業安全関係法令
記述式 機械安全、電機安全、化学安全、土木安全、建築安全の中から1科目を選択

 平成28年度の最終合格率は20.5%です。

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