エネルギー分野の資格

 前回、再生可能エネルギーについて触れたのでエネルギー関係の資格について紹介します。

 いずれも学生向けという感じではありませんが(いずれも経験を前提として評価されるものなので)、大学受験に近い内容なので社会人よりも学生の方がとっつきやすい(合格しやすい?)のではないかと思います。

 書店では資格関連のコーナーでなく電気系の書籍コーナーに置いてあることが多いです。

■電気主任技術者(国家資格)

 電検三種電験二種電験一種と省略して呼ばれることが多い資格です。

 電気主任技術者になれば、発電所変電所、それに工場ビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督という仕事に従事することができます(一般社団法人電気技術者試験センターHPより)。

 前回紹介した太陽光発電などの発電設備の仕事の保安監督業務に従事できる資格ということです。

 電気事業法という法律でそれが定めれています(参考:下枠)。

(電気事業法条文:主任技術者)
第四十三条  事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
(2項以下省略)

 上述したように電験三種、二種、一種とありますが、保安監督できる電気設備の規模(取り扱うことのできる電圧)が違うのです。

資格区分 保安監督できる電気設備
第一種 すべての事業用電気工作物
第二種 電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
第三種 電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物
(出力5千キロワット以上の発電所を除く)

 ちなみに電圧と設備規模の関係ですが、太陽光発電の場合以下の通りです(出典:太陽光発電協会 http://www.jpea.gr.jp/pdf/001.pdf)。

電力会社との連系区分 低圧連系 高圧連系 特別高圧連系
電圧区分 600V以下 600V~7,000V 7,000V超
需要家 住宅・商店 小規模工場・ビル 大規模工場

 通常、第三種から受けてレベルアップしていきます。

 試験内容などは以下の通りです。

  1次試験 合格率 2次試験 合格率
第一種 理論、電力、機械、法規の4科目 20~30% 電力・管理と機械・制御の2科目 10~20%
第二種 20~30% 10~30%
第三種 10%前後
  科目合格あり
(3年間有効)
  科目合格はないが翌年度は1次免除  

 書店で売っている問題集を見るとわかりますが、大学受験か?と思えるような問題です。

 1次試験の4科目をいっきに合格するには相当気合が必要でしょう。
 幸い1次試験は科目合格があるので2年計画ぐらいがいいかもしれません。

参考:一般財団法人 電気技術者試験センターHP

■エネルギー管理士(国家資格)

 上記電験とよく対比される資格です。

 ただし、電験業務が電気設備の保安監督であるのに対し、エネルギー管理士業務はエネルギーの合理化に関する設備維持、エネルギー使用方法の改善、監視などです(一般財団法人 省エネルギーセンターHPより)。

 エネルギー管理士についてはいわゆる省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に定められています。ですので、省エネに関することがエネルギー管理士の業務だとイメージできます。

(省エネ法条文:エネルギー管理者の職務)
第十一条
   エネルギー管理者は、第一種エネルギー管理指定工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関し、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視その他経済産業省令で定める業務を管理する。

 省エネ法では、一定量以上のエネルギー使用工場又は事業場は、エネルギー管理指定工場等(一種、二種)として指定されることとなり、そのうちの第一種エネルギー管理指定工場等(事務所、オフィスビル等を除く製造業等の5業種)はエネルギーの使用量の区分に応じて、エネルギー管理士免状の交付を受けている方のうちから、1人から最大4人のエネルギー管理者を選任しなければならないこととしています。

<第一種エネルギー管理指定工場とは?>
 年度のエネルギー使用量が原油換算で3,000kl以上の工場・事業場は、「第一種エネルギー管理指定工場等」に指定されます。 
 具体的には経産省HPで公開されています(以下)。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/004/001/

 試験は誰でも受けることができますが、免状申請の際に、エネルギーの使用の合理化に関する実務に1年以上従事していることが必要です。

 試験内容などは以下の通りです。
 科目合格があります(3年間有効)。

必須基礎区分 専門区分(選択科目) 合格率
エネルギー総合管理及び法規
1.エネルギーの使用の合理化等に関する法律及び命令2.エネルギー情勢・政策、エネルギー概論3.エネルギー管理技術の基礎
熱分野
Ⅱ.熱と流体の流れの基礎
Ⅲ.燃料と燃焼
Ⅳ.熱利用設備その管理
20~30%
電気分野
Ⅱ.電気の基礎
Ⅲ.電気設備及び機器
Ⅳ.電力応用

 世間的にはエネルギー管理士試験の難易度は電験3種と電験2種の中間ぐらいだと言われています。
 エネルギー管理士も電験3種も学習時間の目安は1,000時間(+α)だと言われていますが、専攻分野が何かも影響するでしょう。

参考:一般財団法人 省エネルギーセンターHP

 なお、いずれの資格も試験を受けずに免状を取得できる“認定”という制度がありますが、学生には関係ないので割愛します。

 また、これら以外にも似たような資格はいろいろありますが割愛します。

 知人から上記資格が転職に役に立ったと聞いたことがあります。
 ただし、その人はその分野での業務経験があり、それが前提での転職成功だと思いました。

 業務がかなり限定されますので、正直、学生向けの資格ではないと感じます。

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