安全管理産業と関連ビジネス

 前回、“安全靴”の話題だったので今回は安全に関するビジネスで。

 堅調に従業員数が増加している分野の一つに安全管理産業があります。一般社団法人全国警備業協会によると警備業者数9,200社警備員数約53万人です。

 2020年の東京オリンピック、外国人観光客などイベント会場や空港といった様々な場所でのセキュリティ強化がますます求められるでしょう。

 ホームセキュリティーも広がっています。玄関先に警備会社のマークがついている一般家庭が多くなってきたことからもわかります。

 “警備”というと工事現場の交通整理などローテクな想像をする人もいるかもしれませんが、“機械警備”という言葉が示す通り、IT技術などハイテク化し様々なサービスを展開していく余地が大きい分野です。

 また業務範囲についても従来的な警備サービスだけでなく、その他の分野に広がりつつあります。例えば、医療機関の警備員が医療事務に携わることもあります。警備員に求められるスキルがどんどん広くなっています。

 この安全管理産業は、セキュリティに直接関わる企業間接的に関わる企業に分けることができます。前者は警備業、後者は安全管理機器メーカーITサービス業です(今回は前者がメイン)。

 警備業は警備業法という法律によって4つに分けられています(下表)。

 全ての業務を全国的に展開する企業というのは全国でも数社しかありません(下記参照。ウィキペディア以外に体系的に整理された情報は発見できず)。

ウィキペディア:警備(「日本の主な警備業者」参照)

 国内市場3兆3,546億円のうちセコム(8810億円)、ALSOK(3818億円)の2社で4割近くを占めています(会社四季報2017年版)。

 セコムは技術開発にも積極的です。これまでトータルで約1,500件、毎年100件近く特許出願をしています(下グラフ:中堅機器メーカーなみ?)。

 その内容からは、ドローンによる警備イベントなどの群衆から挙動不審者を解析する装置不正プログラム検知システム患者が変質した薬を服薬しないようにする装置移動物体追跡装置監視画像に微細加工を施して被撮影者のプライバシーを保護する装置、など様々な展開を検討していることが見えてきます(特許情報の検索については「専攻を活かせる(かもしれない)企業の見つけ方」参照)。

 

 このように将来性のある分野ですが、他業界に比べると学生の就職人気は必ずしも高いとは言えないようです。

 上述したようにローテクなイメージ、体育会系的なイメージが大きいのかもしれません。

 また、入社後は現場勤務からスタートを義務付けられる場合もあり(例えば2年間現場勤務し、その後、キャリアアップ試験をパスしたら希望の部署に配属、など)、そうしたことも少なからず影響しているのかもしれません(現場を知らないと仕事はできないので、こうしたことはごく当たり前のことだと思いますが)。

 まあ、裏を返せば、人気が高くないということは他業界に比べ社内でのしあがっていくチャンスが大きいと考えることもできるかもしれません。
 出世欲が強い人は3番手以降の企業がねらい目かも?

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