食品ロスから見る関連ビジネス

消費者庁によると食品ロスは年間1700万トンだと言われています。これをビジネス的な流れでまとめてみました。食品ロスという“環境問題”が大きいのはどういった企業なのか、どういったリサイクル手段が実施されているのか、など見ていきます。

食品、食材の流通の出発点を食品製造業とした場合、考えられる流通経路は下図のようになります。

この流れを踏まえて食品廃棄物の年間発生量のグラフを見るとその多くが食品製造業で発生していることがわかります(下図)。

ただ、ここで示す食品廃棄物というのは食材としての価値の有無は判断されていないようです。例えばリンゴだったら、通常食材にするのが難しい皮や芯の部分(廃棄せざるを得ない部分)は売上とともに必ず増えていきます。そうした類のものも含めて食品廃棄物とされているので、ある程度は仕方がないのかもしれません。具体的な業種は以下の通りです。

「動植物油脂製造業」が廃棄物が多いのがわかります。例えば、サラダ油の製造プロセスにおいて原料である大豆やとうもろこし、なたねなどの搾りかすがイメージできます。

こうした廃棄物の多くは肥料飼料として再利用されています。その他にはメタン化などに用いられています(下グラフ)。

最近ではバイオマスエネルギーを利用した発電事業など新たなビジネスが広がりつつあります。食品廃棄物系のバイオマスエネルギー利用について環境省が公開する資料を見つけましたので以下に貼っておきます。

環境省資料:食品廃棄物系バイオマスのエネルギー利用システムについて

ただ、(食品に限らず)廃棄物というのは、それを再利用するよりも発生させないことの方が重要です。

ここまで見ると食品ロスに改善の余地はあまり残っていないと感じるかもしれませんが、まだまだそのようなことはないと思います。

個人的な話になりますが、数年前、餃子を製造する事業者を訪問したことがあります。そのメーカーでは餃子の皮となる生地を機械で自動的にくり抜いていました(下図)。円形のくり抜きなのでどうしても生地が余ってしまいます。余った生地は一定量たまったところで再利用するのですが、これを繰り返すと生地の品質が悪くなっていくので3回ほど繰り返した後に廃棄されます。生産を稼働する度に数トンレベルの廃棄物がでるとのことでした。もったいないですよね。

くり抜き方式の製造方法でなく生地を完全に有効活用する製造方法も考えればあるはずです。こうしたところに食品ロス削減の余地があります。

また、先のグラフによると各種食料品小売業の廃棄物は年間83万トンです。流通の下流に行くほど加工が施され、やむを得ない廃棄部分が減ってくるのでしょうから、小売業における廃棄は(コンビニ弁当の売れ残りなど)もったいない廃棄が頭に浮かびます。こうした食品ロスについても技術的に改善する余地があるのかもしれません。

 

なお、加工食品の製造年月日ですが、例えばカット食材を一次的に包装し、次の日に別の包装に移し替えたらその移し替え日が製造日になります。食品製造業者からすると、製造年月日をなるべく新しくしたいところですが、そのため無駄に捨てられる包装材が発生します。移し替え作業により外形的には新しい食材となりますが、実質的に見ると食材品質は変わりません(むしろ手を多く加えた分、悪くなる可能性があります)。

どうにかならないものでしょうかね?

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