フランチャイズと関連ビジネス

今や何かの店が潰れて「さあ、次にどんな店ができるんだろう」と期待しているとそこにできるのはコンビニ、というパターンが多いですね。

そんなに簡単に店が始められるのか?コンビニは儲かるのか?

と不思議に思いませんか?

コンビニスタッフの構成は、オーナーらしきおっちゃんが店長の札をつけていて、あとはバイトというのがオーソドックスに思えます。セブンイレブンとかファミリーマートなどの本部社員が直接レジ打ちする姿はほとんど見たことがないですよね。

よく見るとコンビニは不思議(というか便利)だと感じるシーンを誰もが目の当たりにしているはずです。

品物が切れそうなタイミングで配送トラックがどこかからやってきて商品の補充をやっています。結構な頻度で店の前に配送車が止まっています。電話代や水道光熱代の振込みから宅配物の手配までできますし、銀行引き出しもできます。冬はおでんを出していますし、淹れ立てコーヒーを飲むこともできます。最近では休憩スペースを設けているところも多いですね。酒とツマミを買ってその場で飲食したらあっという間に居酒屋に早変わりです。

ハイテク商品は置いていませんが、様々な企業との関わりがあり、そのビジネス構造はハイテクです。

こうした運営を一から自分の力でやることはほぼ不可能です。仮に自力で店を開けたとしても無名な看板を掲げていては集客にも苦労するでしょう。

フランチャイズは経営経験がなくてもこうした問題を飛び越えて商売を始めることができるというメリットがあります。代わりにコンビニオーナー(フランチャイジー)は売上のいくら、または、月額固定いくらというロイヤリティー(お金)を享受したメリットの対価として本部(フランチャイザー)に支払います。これがフランチャイズ経営の仕組です。

ちなみにセブンイレブンのオーナー契約は、土地・建物を持っている場合、持っていない場合の2つのタイプがあります。土地・建物がある場合は以下の通りです。

■ 加盟金 300万円(工事費等は自己負担)

■ 本部への支払い 売上総利益の45%

■ オーナー総収入 1,900万円(年間)が最低保証(オーナー総収入=売上総利益-本部への支払い)

情報源:株式会社セブンイレブンジャパンHP http://www.sej.co.jp/owner/keiyaku/type/

年間で最低でも1900万円が保証されていると考えると結構儲かるイメージですが、コンビニは24時間営業(1日8時間勤務の3倍)年中無休です。繁忙時間には複数人の体制を用意しておかないといけないでしょうし、人件費を考えるとどうなんでしょうかね?

こうしたフランチャイズビジネスはコンビニに限ったものではありません。飲食店弁当屋もそうですし、スポーツジムにもフランチャイズ店を見かけます。インターネットで検索するとこうしたビジネスがいくらでも出てきます。調べてみてはどうでしょうか?マクドナルドにも(直営店だけなく)フランチャイズ店があります。

フランチャイズと対比される経営として前記括弧書きした「直営」があります。

これは本部企業の資本(お金)で店を建て、企業の社員が店舗スタッフとなって運営していくという従来的なビジネスのことです。フランチャイズと比較したメリットとしては店の儲けは全額企業のもの企業方針と管理が行き届いた経営ができる(フランチャイズの場合、店はオーナーのものなので中には勝手なことをする人もいるでしょう)といったことが挙げられます。一方で店舗展開には多額の資本が必要になり、社員も増やしていかなくてはなりません。

今はどうかわかりませんが、90年代前半、コンビニバイトをやっていた学生は売れ残った賞味期限切れの弁当を持って帰って食べていました。どうせ廃棄されるものですから食べた方が食品ロスがなくなり環境のためです。これがコンビニバイトの一番の魅力だと感じていました。直営店だったらそうはいかなかったでしょう(?)

もうひとつ、ボランタリーチェーンというのがあります。

これはスーパーマーケットによくみられるビジネス形態です。共同仕入れで購入単価を下げるなど独立した業者同士の連携形態です。フランチャイズの場合、店舗の改装とか独自な仕入というのは本部に口出しされて自由に行うことができませんが、ボランタリーチェーンはこれよりも緩いつながりになっています。従ってより独立性のある経営が可能です。

 

以前、セブンイレブンの本部企業(フランチャイザー)の人を通じていくつかベンダー企業(食品製造業)を訪問したことがあります。そのときの対応から本部とベンダー企業の絶対的な力関係を感じました。ベンダー企業からすると全国2万店近くの販売先を持つフランチャイザーには逆らえません。過去記事「5つの力:業界、企業研究に必要な視点」で紹介した分析スキーム(売り手との関係、あるいは買い手との関係)に当てはめて容易に理解できると思います(下図)。

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