中小企業の情報と分析

大企業、上場企業の場合は積極的に情報発信しているのでどのような事業をやっているのか、何が強みなのかイメージしやすいと思います。

一方で中小企業の場合、事業や業績などよくわからない場合が多いかもしれません。上場していなければ有価証券報告書などを作成して株主に情報公開する義務もありませんし。

昨年度の受講生から情報を集めたところ、就職希望先としては「大企業とまでは言わないが地元の優良企業」とつつましいのか贅沢なのかよくわからない回答が最も多かったです。(優良な中小、中堅企業を見つけてそこに就職したいということなのでしょう)

元気な中小企業、独自技術を持つ中小企業を紹介するサイトは多いと感じます。

例えば、中小企業庁のホームページでは次のような紹介があります。

<元気な中小企業300社>

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/3kantou/kantou_menu.html

ただ、これだけではよくわかりませんので、各社の特許出願件数を調べてみました。これまでの記事で度々、企業の特許出願件数から企業名を取り上げてきました。今回も同じように特許出願件数に注目します。

特許情報の調べ方は以前の記事「専攻を活かせる(かもしれない)企業の見つけ方」に書きましたので参考にしてください。

この中でダントツと言っていいぐらい特許出願している多摩川精機という長野県の企業がありました。ここに掲載されている企業の多くが特許出願件数は数10件レベルでしたが、上記企業は2000件以上でした。モーターや計測器を作っていて航空宇宙関連まで対象とする分野は広いようです。従業員数730人で毎年100件前後(バラつきは大)出願しています。開発系の人材が毎年一人1件ぐらい出している感じでしょうか。

特許出願件数を一つの指標に考えているのには根拠があります。

通常、機械、電気系の製品は様々な技術要素から成り立っています。そして、それぞれの技術について権利を取得していかないと模倣されたり、他社に権利を取られたりして事業が立ち行かなくなります。持っている権利が多いほど交渉の武器になりますし、他社を牽制することができます。

例えば、クロスライセンス契約なんていうものがあります。自分の権利を使わせてあげるから、お前の権利も使わせろ、と所有する権利の数がものをいう世界です(製薬やバイオ系の企業では1個の特許権が社運を握ることもありますが、それ以外の分野は数多くの技術要素で成り立っているため、できるだけ多くの特許権を取得する必要があります)。実世界における軍事競争にかなり似ています(似ているというよりそれ以上のバトルが繰り広げられています)(下図)。

中小企業庁以外にも例えば特許庁で中小企業を紹介しています。

<知的財産権活用企業事例集2016>

https://www.jpo.go.jp/torikumi/chushou/kigyou_jireii2016.htm

食品、建築、化学、ITなど分野別に整理されていますので参考にしてください。

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