日商簿記(ビジネス知識として)

経理職志望者に向けてこれを挙げたのではありません。社会人経験年数を重ねるほど簿記・会計の知識が重要だとわかってきます。

と言っても多分、多くの学生にはピンとこないでしょう。

今、私は自分で帳簿をつけており、簿記・会計の知識は必須です。

会社組織でもそういった場面に少なからず遭遇します。

業務上、物を購入した際、最終的には経理部に処理してもらいますが、領収書などを経理に通すまでの前処理は多くの企業において自分でやるのが通常でしょう(社内システムで伝票的なものを作成して上司の承認をもらい経理に送るなど)。

一般社員に簿記を意識した処理が求められることはないでしょうが、「これは“試験研究費”でこれは“開発費”」といった感じで指摘を受けることはあるでしょう。

通常はその程度で済むことが多いですが、職種によっては深い知識を求められます。例えば企画職ならば新商品を出すのに材料費償却費商品の販売価格など諸々を踏まえて計画を立てたりしなければなりません。

また、簿記の用語は商談や社内会議などで頻繁に出てきます。簿記を学ぶのは社会人としてのコミュニケーション力に役立ちます(これが一般社員にとって簿記を学ぶ一番のメリットかも?)。

私の場合、転職してコンサル業務に就いたときにこうしたことにモロに直面した場面がありました。

少し専門的な話になりますが、2010年、企業会計基準(上場企業に適用される会計基準)に改正がありました。その改正内容は、企業が所有する土地に土壌汚染があった場合、建物にアスベストを使用している場合などにおいて、法的に処理(土壌汚染の処理やアスベストの処理)が必要になるケースではその処理費用を債務として計上しなければならない、というイメージのものでした(資産除去債務と言われています)。どの企業も対応の仕方がわからないということで、2010年の春頃に相談が集中しました。企業の相談に対応するためには土壌汚染をどうやって把握するか、またどうやって処理するかという技術的な知識土壌汚染対策法などの法的な知識、それに加えて会計知識が求められます(この話はここまででとどめておきます)。

上記は一例ですが、ビジネスにおいて会計知識は経理に限らず、企画、開発、営業など多くの職種に求められます

環境分野で言うと、“環境会計”という環境経営的な視点を導入する企業もあります。社会人になって取引先との会話や社内打ち合わせでも「粗利」とか「減価償却」とか「売上原価」などの言葉は頻繁にでてきます。

ただ、大学生の新卒採用において多くの場合、日商簿記が就職に影響を与えるというのはちょっと想像しがたいです(ビジネスを理解するための一つとして簿記を勉強しました!と意気込みをPRするのはありかもしれませんが)。

このようにビジネス、経営の素養として、簿記・会計を勉強するのに損はないと感じます。3級なら60~80時間が標準学習時間だと言われています。

学習初っ端には「借方」と「貸方」という用語が簿記の番人のように立ちはだかりますが、これを乗り越えたら道が開けるでしょう。

 

<参考:知らないと恥をかく(かもしれない)用語の一例>

(※かなり意訳しています)

売掛金買掛金・・・ツケ取引で生じた債権、債務(会社取引は通常、現金取引は少なくツケ払いが主。カード決済のような感覚)

仕掛品・・・作りかけの製品のこと。サービス業でもたまに使われることも(前の期に仕込んでおいた案件を次の期にまわして予算達成率を高めようとするセコイやり方をする社員が絶対にいるはず?)

営業利益経常利益・・・本業の儲け(営業利益)、営業利益に金利など本業以外の収益を加え、より企業の経営状態をあらわしたもの(経常利益)。経常利益は“けいつね”と略されることもあり、メーカーなら経常利益率が5%以上あればご立派(?)

棚卸資産・・・まだ売れていない製品、仕掛品など。定期的に棚卸資産を確認しないと会社の資産を勝手にふところに入れる輩が横行するかも(?)

固定資産・・・土地、装置、特許権など会社が継続使用する資産。ビジネス取引に要した費用をなんでも固定資産として計上すれば、見かけの利益は増える(利益=売上-費用)ので、会社が儲かっているように見せかける悪だくみも可能(?)

減価償却・・・時間とともに固定資産の価値が減っていくと考え、その額を会計上反映させること。特許権は8年で残存価値が0円ということになります(減価償却というのは理解しがたいことが多い)。

当座預金・・・企業が業務上の支払いに利用する無利息の預金。振込みのとき(普)とか(当)とかあるあれです。

製造原価・・・製品の製造のためにかかった費用。これに販売費や一般管理費を加えたものが総原価。ちなみに飲食店は原価率が大体50%だと言われています。ラーメン屋などを始めたい人は儲けは売り上げの半分、と見積もって検討してはどうでしょうか。

合併・・・2つ以上の会社が1つに結合すること。一方の会社が存続する吸収合併、いずれの会社も消滅して新会社ができる新設合併があります。ちなみに合併の半分はビジネス的に失敗に終わると言われています。

 

 

 

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