以前の職場にあがり症の人がいました。人前で話す場面ではどもってしまい、口癖のように「えー、・・・」と言いながら顔面全体に大量の汗粒が浮かびます。見ているこちらもつらいです。
ここまでくると薬でも試した方がいいのではないかと思ってしまいます。就活生でも同じような人がいるかもしれません。
はたしてそんな薬が存在するのか?
薬剤師の友人に聞いてみました。
その友人がたまたま精神科病院でも働いたことがあり、近しい薬があることを知っていました。
結論から言うと、あがり症のための薬、というのは聞いたことがないそうです。しかし、血圧を下げる、といった本来とは別の目的の薬が緊張にも効くかもしれないとのことです。
そもそも“あがる”とはどういうことなのかという謎があります。
その答えが血圧上昇という現象で説明できるため、それなら高血圧に効く薬が“あがる”という症状に対しても効果があるかもしれない、という論理のようです。精神科に相談に行けば薬を出してくれる医者もいるかもしれない、と言っていました。ただ、適応外使用に該当する場合(つまり、高血圧という症状を和らげる目的の薬を、あがり症を和らげるという別の目的で使用する場合)は保険がきかないらしいです。
それでは市販薬でも同じ効果のある薬がないのか、ということも尋ねましたが、その友人は「どの症状についても大概言えることだけど市販薬に大した効き目の薬は出回っていない」と断言していました。ただし、病院でもらった薬が本当に効くという保証はありません(あがり症を目的として作られたものではないですので)。
こういったたぐいの薬は実はプラシーボ効果によるものかもしれませんしね。
ただ、本当に薬が効いたとしても依存症など別の問題もありそうなので注意が必要です。
ちなみに私の経験になりますが、弁理士の論文試験が始まる直前に水を少し飲んだら緊張が解けたことがあります(そのおかげで受かったのかもしれないと思うこともあります)。それ以来、緊張してきたなあと思うときは水を口に含むようにしています。