グループディスカッションについて

就職四季報を見ていると、新卒採用グループディスカッションでは業界を問わず自社の経営課題をテーマにしている企業が多いように感じました。こうしたテーマに取り組むためには業界分析企業分析をやっていることが大前提と言えます。

これは多くの企業が新卒採用の重視項目に「業界研究の度合(36%)」や「企業研究の度合(35%)」を挙げているのと符合します(記事「面接について」のグラフ参照)。

 

グループディスカッションテーマの具体例を一部挙げると、

・地方銀行が地方創生に何が必要なのか問うもの

・ソフト開発企業が自社ソリューションを使ってどのような提案ができるか問うもの

・中国とのビジネスを行う商社がグローバル人材に必要な要素を問うもの

・機械メーカーがロボット技術の将来を問うもの

・乳清食品メーカーが少子高齢化向けた商品開発を問うもの

・ホームセンターが販売において大切なものが何かを問うもの

・百貨店がオムニチャネル時代の百貨店について問うもの

・旅行会社が旅行企画を問うもの

・低価格衣料チェーンが経費をかけずに売上を上げる方法を問うもの

・建設機材レンタル企業が新レンタル会社設立の商材、収益性などを問うもの

などがあり、比較的多いと感じたのが商品提案やその企業の課題解決策を問うものです。

こうしたテーマを見て昨年度、大学の授業でやったこととかなり似ていると思いました。

授業では4~5人のグループで議論後、個別に自分の考えを発表するということをやりました。主に商品提案がテーマでしたので社会人では考えつかないような発想のものもあり、聞いている分にはおもしろかったです。

例えば「消せるボールペンインクを使って他のサービスや商品が作れないか」をテーマにしたことがあります。

これに対して「いつでも消せるタトゥー提供サービス」とか「温度で色が変わるフライパン」など面白アイデアがいくつもでてきました。

ここで、授業を通じて気になったのがアイデアを支える土台が脆い人が多かった点です。

思いついたものをそのまま言っているのに近いため、「そのサービス・商品が本当に顧客に喜ばれるものなのか?」とか「その考えの根拠は何?」などの質問に対して説得力のある説明がされない場合が多かったです。

これだとどんなにアイデアが良くても「面白いね」「そうでしょ」で終わり。浅い議論しかできません(というか、そのアイデアさえも面白くなかったら、ディスカッションのプレーヤーとしてどうでもいい存在だとみなされるかもしれません)。

積極的にディスカッションに加わり、深みのある議論に発展させるためには裏打ちされた発言が求められます。そうすると業界研究や企業研究は自分の考え・発言を基礎づける重要な要素の一つになると言えそうです。※

新卒採用におけるディスカッションで企業が学生の何を見極めようとしているのか、私にはわかりません。

どう演じたら採用に有利なのかは気になるところでしょうが、それ以前にディスカッションにならなければ意味がないと思います。十分なディスカッションが出来ていないのに評価だけを気にしていたら単なる挙動不審者に見えるかもしれません(?)。

 

※ 業界研究や企業研究については過去の記事「ネットで何を情報源にするか?」「企業研究の情報源:有価証券報告書」「5つの力:業界、企業研究に必要な視点」を参照してください。

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