私自身を振り返ると、大学生の頃「卸売業」「小売業」というものもよくわかっていなかった気がします。卸売でイメージしていたのは一休さんにでてくる米問屋の桔梗屋さんで、小売業という言葉からは小規模な販売店のことかな、というレベルでした。
卸売や小売を行う企業とはどのような企業なのか、メーカーから消費者までのモノの流れでみるとわかります。メーカーでつくられたモノは卸売を介して小売に届き店頭に並び消費者の目に触れます(下の図はその概念の一つだと思ってください。実際にはモノの流れはもっと複雑です)。
なぜ卸売業が存在するのか?
上の図を見てそう思いませんか?間に入る卸の数が多いほど(1次卸、2次卸・・・)商品の値段が高くなってしまいます。ネット社会になりメーカーが直接消費者に販売することも容易になりました。そんな状況でも卸が入るメリットがあります。
下図のようにメーカーが卸抜きで小売りに販売しようとすると各小売店と1:1の取引を小売業者の数だけしなければならなくなり、それだけ営業や管理に手間暇がかかります。最終消費者と直接やりとりできたしても、受注管理したり、配送手配したりと、やはり大変でしょう。
卸を間にかませることでメーカーが営業にかける労力は減り、取引総量も格段に増えます。
メーカーが原材料の調達から販売までやるというのはかなり大変です。海外現地から天然資源を仕入れたりなんて、とてもじゃないけどできないですね。この場合はメーカーの上流に卸が入るイメージになります(下図)。部品メーカーと完成品メーカーの取引にも卸が入ることで何万点とある部品の取引負担が軽減されます。これが卸売業に関して一般的に理解されているメリットです。
ウィキペディアに日本の卸売企業が載っていますので参考までにURLを貼り付けておきます。〇〇物産とか□□商事などの商社は卸に分類されます。
<日本の企業一覧(卸売業)>
一方、小売とは最終消費者に販売することだと言えます。小売の「小」は店や取扱品の大小ということではなく、卸売業者からとの仕入取引(大口取引)と比較して、消費者との取引というのは小口であるから、と理解するとすっきりします。
まあ、最近はビジネス形態が多様化しています。卸売業者や小売業者とは(さらにはメーカーとは)どう定義するのかと言うこと自体がナンセンスなのかもしれません。
上記同様に日本の小売企業についてもURLを貼り付けておきます。みなさんが知っている百貨店からコンビニまで小売に分類されます。
<日本の企業一覧(小売業)>
あと、流通業という言葉もありますよね。「流通」とは生産と消費を結び付ける活動であり卸売業、小売業をひっくるめて流通業と言います。