インターンシップは就職に有利か?

今年度の講義の中でこの質問がありました。

私が学生の頃はインターンと言う言葉から思い浮かぶのは医者の病院実習ぐらいでした。インターンシップは2000年代ぐらいからちらほら聞くようになった言葉です。

インターンシップとは企業の中で職業体験できる制度のことを言います。3年生の夏休み中に参加するのが一般的でしょうか。

このインターンシップ、学生の間で、やっとけばその企業の就職に有利になるという噂が存在するようです。

これが都市伝説なのかどうか、答えを出すのにあるデータを見つけました(上のグラフ)。

企業の人事担当者1,000人からの調査結果(2016年度新卒採用)において、応募者をつなぎとめる工夫についての回答があります。企業の立場からすると、優秀な人材をいかに確保するかは大きな問題です。

これを見ると、「職場体験」すなわちインターンシップと回答している企業が22%あります。ただし、インターンシップ参加者の中から優秀な人材には内定を約束するという意味で回答しているのか、それともインターンシップの体験そのものが学生の心をつなぎとめる策であるという意味で回答しているのかは読み取れません。前者だとすると、今回の件、都市伝説とは言えないでしょう。

ちなみにインターンシップの実施状況は下図の通りで、全体では3割弱の企業がインターンシップを実施しています。

ここでふと疑問がわいてきます。インターンシップといっても長くてせいぜい1か月とか2か月とか、まあその程度のスパンだと思います。そんな短期間で「こいつはできるやつだ!」とか「インターンシップに参加しなかった学生が今後どれだけ応募してきてもこいつには絶対かなわない!」などと印象付けることができるのかということです。新人が入社してまともに仕事をやれるようになるまでは年単位の期間を要するのが普通です。そうすると数日~1か月のインターンシップで一体学生に何ができるのかと思ってしまいます。せいぜい服装や会話がまともか性格はどうか素養はあるか、くらいで絶対的な評価につながるものを残せるとは到底思えません。

結局、インターンシップで採用したいと企業が思う学生はインターンシップをやらなくても採用したいと思える人材(大学、成績ともに申し分なく人柄も良くて頭もキレそう、とか)なのかもしれません。そういった学生がたまたま(?)インターンシップにやってきたら企業としてはツバをつけときたいというのが心情でしょう。

とは言えインターンシップは学生にとってもメリットがあります。自分の適性を知ることができますし、業界研究、企業研究にもなります。社会人としてのマナーなどを知ることもできます。こうしたことは面接におけるPRにもつながります(「面接について」の記事に載せた新卒採用の重視項目のグラフを見てください。“業界研究”、“企業研究”、“身だしなみや立居振る舞い”といったインターンシップで学べることが重視項目になっています)。そう言った意味ではインターンシップに参加することで少なからず優位になると考えることもできます。

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